60年の歴史を守る4代目「変わらない味をお客様に」
菓子製造 鳥入 大さん(奄美市名瀬)
奄美に住んでいる人も旅行で来た人もみんなが知っている、薄い板状の黒砂糖にゴマの香ばしい香りとサクサクした食感が楽しい「ごまざた」。
60年続く老舗の4代目、鳥入(とりいれ)社長は昨年代表に就任したばかりの30代!若社長にお話を聞いてきました!
――鳥入社長、よろしくお願いします! 小さな頃からこの事務所に通っていたと聞きました。ずっと奄美にお住まいなんですか?
(鳥入)
ここは母の実家なんです。子供のころは小学校が終わったら家に帰らずこの事務所に寄って、母を待ちながら梱包や製造の手伝いをしていました。
中学生のころには父の仕事の都合で鹿児島に引っ越して。そのまま大人になって鹿児島で働いていたんですが年に一回、家の近くで物産展をやるので手伝っていました。
毎年ウチの商品を楽しみにしているお客さんがいたり、愛されている商品なんだと感心していました。
――それで奄美に帰って後を継ごうと思ったのですね。
(鳥入)
後継者がいないとは聞いていたのですが、歴史があってお客様からも愛されているこの会社がなくなってしまうのは寂しいと奄美に帰ってくることにしました。
それから10年修行して、社長を受け継ぐことになりました。30代での社長就任で不安はあったのですが昔からの社員やお客様の助けもあって、就任するからには一生懸命頑張ろうと思いました。
――製造の面でこだわりはありますか?
(鳥入)
一度にできる量は少ないんですが、昔ながらの製法で手作りにこだわって作っています。
梱包まで外注はせずに責任をもって最後の工程まで一貫して自社で対応しようと。
1回で数㎏しかごまざたはできないのでその分、1日に十数回も製造しています。
それから社員には本当に口酸っぱく、衛生管理や点検・整備に注意するように言っています。食品を扱う会社なので。
――社長になられてこれまでで一番のピンチは?
(鳥入)
短期決戦の物産展なのに、商品・展示資材などの発送に手違いがあっていろんな方に迷惑をかけてしまいました。
その経験を生かして今は分割して発送したり、とにかく棚を切らさないように販売員や店舗側と綿密に連絡を取って対策しています。
――経営の支えにしている言葉はありますか?
(鳥入)
何事にも一生懸命。一日一日一生懸命。
子供たちに小学校で野球を教えていて、もう何年も子供たちに言い続けています。子供たちに言っている以上、自分もやらなきゃなと。
最近は子供に言っているのか、自分に言っているのかわからなくなってきました(笑)
――お客さんへのメッセージをお願いします。
(鳥入)
初めて見る方にとっては味の想像もつかない商品だと思いますが、とにかく一度手に取ってもらいたいです。
60年の歴史を守った変わらない味付けを心がけています。
60年続く会社を受け継いた時の周りからの期待が大きすぎて、プレッシャーで胃に穴が開きそうだったと取材後にこっそり教えてもらいました。
今は自分の代で一生懸命会社を守って、次の代に引き継げたら良いと思っているそうです。
鳥入社長、これからも美味しいごまざたを作っていってください!ありがっさまりょうた~!